20世紀後半(特に1970年代以降)
主にイギリスおよびアメリカ合衆国
ピーター・シンガー、トム・リーガン、マーク・ローランズ 他
動物を劣った存在とみなし、苦しみを軽視する「種差別(スペシーシズム)」を批判
感覚や苦しみの感受性を持つ存在には、苦痛を避ける権利があるとする功利主義的立場(ピーター・シンガー)
動物には固有の生を生きる権利があり、人間の利益のために搾取してはならないとする権利論(トム・リーガン)
倫理的主体としての人間の責任を強調し、動物と共生する生活様式を提案
倫理的配慮を「人間の外」にまで拡張した画期的な試み
「人間とは何か」という問いに、他の生物との比較から光を当て直した
食、実験、娯楽など、動物を取り巻くあらゆる場面に倫理的判断が必要であるとした
種の違いを理由に差別的な扱いを正当化する考え。人間優越主義の延長
苦しみを感じる能力を倫理判断の基準とする立場。苦痛を避けることが善とされる
動物にも「生きる権利」や「苦しまない権利」があるとする立場。人間中心の功利ではなく正義に基づく
動物搾取を避けるために動物製品を一切消費しないライフスタイル。倫理的実践として支持される
存在が倫理的に配慮されるべきかどうかの基準。感受性・自意識などが論点となる
第二次世界大戦後の人権思想の発展と並行した、1960~70年代には公民権運動、フェミニズム、環境保護運動などの社会運動が盛んになり、倫理の対象を拡張する潮流が強まった。
この中で「人間以外の動物」にも倫理的配慮が必要ではないかという問題意識が浮上。
1975年にピーター・シンガーが『動物の解放』を発表し、動物への搾取が道徳的に正当化されないことを強く訴えたことで、動物倫理は一つの哲学的分野が確立された。